腰痛治療について
はじめに
今まで皆さんが常識だと思っていた腰痛に関する常識はかなり違っています。
その代表格が椎間板ヘルニア、椎間板が脱出して神経を圧迫しているから腰の痛みや脚のしびれ等の症状が出ていると思い込んでいる方は多いと思います。
その常識は様々な研究データから科学的に根拠のないことが明らかになっています。
腰の痛みや脚のしびれ等の症状は、実は、筋肉が固く強ばっていることが原因の可能性があります。
筋肉がそのような状態だと血流が阻害され、筋肉への酸素不足が生じるため、
警告としての痛み物質が放出されるためではないかと考察されます。
こちらのページを読み進めて頂ければ、腰の痛みや脚のしびれの原因が椎間板ヘルニアではないことやどんな人が腰痛になりやすいか、腰痛に対する対処の方法などがデータで示されていますので参考にしていただければと思います。
腰痛患者は年々増加しています!
ヘルニアが神経を圧迫して痛い!
代表的な腰痛の症状の原因とされる「腰椎椎間板ヘルニア」
整形外科でMRIを撮影し、椎間板が飛び出し、神経を圧迫している画像を見ると、あたかもそれが痛みの原因だと考えられてきましたが、EBMの誕生により、新しい認識がされるようになってきました。
参考:EBMとは 根拠に基づいた医療(Evidence-Based Medicine)のこと。
国際的な学術誌『 The Journal of bone and joint surgery. American volume』(1990)Boden SD.ら による研究によれば、腰痛を経験したことがない20~80歳までの67名の腰部のMRIで撮影を行い、それに加え、腰痛患者のMRI写真を33枚をランダムに混ぜ合わせ、研究内容の知らない医師3名に画像診断をしてもらいました。その結果、腰に痛みのない健常者のうち、
「椎間板ヘルニア」が21~36%
「椎間板膨隆」が50~79%
「椎間板変性」が34~93%に認められました。
病院で「椎間板ヘルニア」と言われても安心してください!
腰が痛くて、整形外科に行きレントゲン・MRIを撮って、椎間板がつぶれ、神経が圧迫している画像を見せられると、かなりの「不安」と「恐怖」が起きるのではないでしょうか?
しかし、初めは患者さんになかなか信じてもらえないのですが、この「ヘルニア」が痛みやしびれを起こすことはありません。
簡単に言えば、 ヘルニア=痛み・シビレ ではないのです。
左の写真の方もヘルニアの部分が神経を圧迫していますが、実際は痛みがない健康な人の写真です。
「ヘルニア」=「痛み」はもはや時代遅れの説明です
私が今までの経験に基づき、「ヘルニアが痛みを引き起こすことはない」と言っているのではありません、痛み治療の先進国ではもはや常識なのです。
肉体労働をしているので腰が痛い!?
山口義臣・山本三希の研究によれば、職業別に腰痛患者数を調べてみると、もっとも腰痛が多かったのは、無職の方々で、肉体労働者と専業主婦とではさほど差がありませんでした一概に肉体労働をしているから腰痛になりやすいとは言い難いようです。
肉体労働+何か=腰痛この何かが加わることで腰痛の発症率も高くなります何かとは、心理社会的因子いわゆるストレスです。